精巣腫瘍の手術と化学療法
精巣腫瘍が確定した場合、身体の他の部位にできた腫瘍と異なり、病理検査を待たず
にとにかくまず精巣を腫瘍ごと摘出します。

手術法は、高位除精巣術(こういじょせいそうじゅつ)と呼ばれる陰嚢を切開せず、おなか
の下(盲腸のあたり)を開いてそこから精巣を取り出す方法を取ります。
手術時間は概ね1時間程度だといいます。
転移がある場合(U期、V期)は腫瘍の組織型、病期によって化学療法あるいは
放射線療法を行います。また、転移がなくとも再発防止のために予防的な意味で化学
療法が行われることもあります。
精巣腫瘍においてよく利用される化学療法はシスプラチン、エトポシド、ブレオマイシン
という抗がん剤を使うBEP療法です。
化学療法は4週間を1コースとして予防的化学療法では2コース治療のための化学療法
には抗がん剤の効果次第ですが3〜6コース行われるのが一般的です。
精巣腫瘍の組織型や病期によって治療方法は多少異なりますが基本的には画像診断
と腫瘍マーカーの数値を突合せ、画像診断において腫瘍がなくなり、血液検査でのマー
カーの値も正常化するまで化学療法、場合によっては腫瘍の摘出手術が行われます。
精巣腫瘍は化学療法が非常に効くため病期が進行していてもかなりの確率で
根治も期待できます。
ただし、当然ですが治療の過程で利用する化学療法には多大な副作用があります。
具体的には吐気・嘔吐、下痢、神経障害、脱毛、腎機能障害、精子産生障害などが
代表的でしょう。
精子産生障害に関しては、精巣腫瘍にかかる年代が20〜40代がほとんどということも
あり、結婚の有無や子供の有無など、状況にもよりますが化学療法前に精子の冷凍
保存を提案されることになると思います。