浣腸で羞恥心の殻を破る
さて、剃毛が終わると次は浣腸である。
なんで浣腸をする必要があるのか?と不思議だったが精巣腫瘍の手術は袋(陰嚢)を
破って睾丸を摘出するのではなく、ソケイ部近くを切って、そこから睾丸を取り出すため、
腸にウンコがたまっていると邪魔だからだ。
そして多分、手術をはじめて受ける人で一番恥ずかしいのがこの浣腸だと思う。
浣腸は、剃毛してくれた若い女性の看護師さんと二人で浣腸ルームのようなところに入り、
お尻を突き出して、イチジク浣腸とは違う、太い医療用の浣腸の管を肛門にいれられるのだ。
腸を空っぽにするためには生暖かい温水を2リットル近く、腸の中にいれないといけない
ようで、温水が全部入れるまではどんなにもよおしても我慢しなければいけない。
で、これが本当に辛いし、そして恥ずかしい。
看護士さんと僕の会話を抜粋すると

僕:「ああっもうダメです!出そうです」
看:「まだ、もうちょっと我慢してください」
僕:「ダメです、もう限界です」
看:「もうちょっと入りませんか?もう少し我慢してください」
こんな会話が浣腸ルーム内でやりとりされているわけである。
温水が全部入るとOKサインが出るので、すぐ横に備え付けてある洋式トイレでロケット
のように糞便を噴射することになる。まさに腸内洗浄とはこのことかという勢いで糞便がでるのが気持ちいい。
すっきりしたところでウンチを流し、看護師さんを呼ぶと(排泄中は浣腸ルームの外に出ている)
「流しちゃったんですか?」といわれた。
どうもウンチの状態で腸の洗浄具合を確認するらしく、スカスカのカスのようなウンチに
なったことを看護師さんが確認しないとダメらしいのだ。
看:「もう一回浣腸ですね」
僕:「・・・・・」
結局、3回浣腸して、4回目するかどうかというところで、「まだ終わらない?」と他の
看護師さんの横入りがあったので浣腸はそこで終了した。
看護師さんに浣腸をされ、我慢を強いられ、排出した便を看護師さんに見せるという
看護師にとっては当たり前だが、一般人にとってはアブノーマルな経験は、股間を
さらすのが恥ずかしくてなかなか病院へこれなかった自分のちっぽけさをひどく痛感
させてくれる出来事になったのは間違いない。