摘出手術の準備
剃毛は二人がかり。あんなところも剃られます。
血液検査とMRI検査を終えるとこれから入院することになる病室に通された。
経済的なことを考えると相部屋のほうが安いのだが空きがないので2人部屋になった。
といっても入院期間中、同室に入る人がいなかったので個室状態だったが。
緊急の手術ということもあってか病室で息つく暇なく次から次へとやることがある。
手始めは「剃毛」である。

場所が場所だけに全剃りである。ソケイ部(足の付け根)に始まり、太もも、そして最も
恥ずかしいケツ毛も若い看護師さんに剃られるのだ。
僕の場合、下半身の剛毛ぶりと手術時間がおしていることもあってか途中から二人がかり
での剃毛になった。
男性であれば女性の看護師さんに剃毛されるのってどんな気持ち?と興味深々だと思うが<
正直そんなことを考えている暇もなかった。
診察を受け、即手術ということになり、気持ちの整理もつく間もなく、検査、剃毛ときていた
ので何がなんだかわからないままやられていたという感じだ。
剃毛してくれた看護師さんは僕の剛毛を手間取り、剃刀をだめにしては、応援に来た先輩
看護師に仕事が遅いと怒鳴られていたので気の毒であった。
浣腸で羞恥心の殻を破る
さて、剃毛が終わると次は浣腸である。
なんで浣腸をする必要があるのか?と不思議だったが精巣腫瘍の手術は袋(陰嚢)を
破って睾丸を摘出するのではなく、ソケイ部近くを切って、そこから睾丸を取り出すため、
腸にウンコがたまっていると邪魔だからだ。
そして多分、手術をはじめて受ける人で一番恥ずかしいのがこの浣腸だと思う。
浣腸は、剃毛してくれた若い女性の看護師さんと二人で浣腸ルームのようなところに入り、
お尻を突き出して、イチジク浣腸とは違う、太い医療用の浣腸の管を肛門にいれられるのだ。
腸を空っぽにするためには生暖かい温水を2リットル近く、腸の中にいれないといけない
ようで、温水が全部入れるまではどんなにもよおしても我慢しなければいけない。
で、これが本当に辛いし、そして恥ずかしい。
看護士さんと僕の会話を抜粋すると

僕:「ああっもうダメです!出そうです」
看:「まだ、もうちょっと我慢してください」
僕:「ダメです、もう限界です」
看:「もうちょっと入りませんか?もう少し我慢してください」
こんな会話が浣腸ルーム内でやりとりされているわけである。
温水が全部入るとOKサインが出るので、すぐ横に備え付けてある洋式トイレでロケット
のように糞便を噴射することになる。まさに腸内洗浄とはこのことかという勢いで糞便がでるのが気持ちいい。
すっきりしたところでウンチを流し、看護師さんを呼ぶと(排泄中は浣腸ルームの外に出ている)
「流しちゃったんですか?」といわれた。
どうもウンチの状態で腸の洗浄具合を確認するらしく、スカスカのカスのようなウンチに
なったことを看護師さんが確認しないとダメらしいのだ。
看:「もう一回浣腸ですね」
僕:「・・・・・」
結局、3回浣腸して、4回目するかどうかというところで、「まだ終わらない?」と他の
看護師さんの横入りがあったので浣腸はそこで終了した。
看護師さんに浣腸をされ、我慢を強いられ、排出した便を看護師さんに見せるという
看護師にとっては当たり前だが、一般人にとってはアブノーマルな経験は、股間を
さらすのが恥ずかしくてなかなか病院へこれなかった自分のちっぽけさをひどく痛感
させてくれる出来事になったのは間違いない。