診察からMRI検査まで

9ヶ月も放置した精巣腫瘍はどうなるか?

「バカ野郎!!こんなになるまで放っておきやがって」

医者怒る


近所の大学病院の泌尿器科で診察を受けるなり、一番はじめにいわれたのがこの言葉だ。


患者にバカ野郎という医者はどうかと思うが今思うと本心がでたのだろう、事の重大さが そのときになってやっとわかった。


大学病院の泌尿器科にいったのはその年の11月。


睾丸に違和感を感じたのが2月だから実に9ヶ月も経ってからやっと医師の診察を 受けにいったのだった。


そのときの僕の右の睾丸の状態はというと長さ12,5cm、幅10cmにもなっていた!!


睾丸の形としてはマンゴーのような感じだった。ソフトボールほどではないがテニスボール
よりは確実に大きかったと思う。


なぜ、そんなに大きくなるまで放っておいたのか、いまになって思い返してみると理由は
2つあると思う。


◇恥ずかしいから


場所が場所だけに医者にみせるのは恥ずかしいし、また、誰にも相談できなかった
こともあるかもしれない。こういうときは彼女がいれば異変に気づき病院へいくのを
勧めてくれたと思うが、いない場合は一人で悩みを抱え込むケースが多いかもれない。



◇認めたくなかったから


睾丸が大きくなるにつれ明らかに異常があることはわかっていた。ネットなどを使って
症状も調べ、おそらく精巣腫瘍だろうと察しはついていたがまさか「10万人に1人の割合
で起こる病気に自分がなるはずないだろう、精巣腫瘍ってガンのことだろう?」という
気持ちがあった。


「まさか自分が?」という気持ちが病院へいくのを渋らせていたことは否めない。


この経験からいえることは経験したことのない身体の異変は自分で判断するより医者に
聞けということ。特に精巣腫瘍のような最悪命にかかわることは自分で判断するのは
危険極まりないと思う。


とにかく睾丸の異変に気づいたらすぐに泌尿器科にいくことだ!

検査そして即摘出手術!

診察室でこっぴどく怒られた後は、気休め程度にエコー(超音波検査)した。


睾丸の肥大には精巣腫瘍以外にも原因があるためその可能性を探っていたのだと
思うが精巣腫瘍以外の確率はほとんどないように思えた。


診察してくれた医師はイライラしているようだった。それもそのはずでこんなに睾丸が
大きくなるまで放置しておくのは前代未聞だし、腫瘍が悪性であれば放置していた
時間だけ転移している可能性も高いからだろう。


病気はどんなものであれ、早期発見、早期治療が基本である。


ため息とともにエコー検査が終わるとすぐに血液検査を受けるための手はずが整えられ
別階に移動することになった。


その際に医師は


「運のよさそうな顔をしているから大丈夫だろう。それと今日このあとすぐに摘出手術を
するから家の人に連絡して入院の手続きと入院の道具をもってきてもらえ」


といった。


「えっ!すぐ摘出手術するんですか?」⇒精巣腫瘍の手術



精巣(睾丸)腫瘍が疑われた場合はその腫瘍が血液検査や病理検査によって良性
か否かが判明する前でもとにかく即手術するのが基本になっている。


他の病気であれば、まず腫瘍組織を一部取り出して、病理検査などで良性か悪性か
を診断してから悪性であれば手術という方法をとるのが基本だが、精巣腫瘍の場合
は腫瘍組織を一部取り出す作業がきっかけで悪性腫瘍の組織が転移する可能性
があるためとにかく精巣腫瘍が疑われた場合は即摘出となる。


さすがに即摘出手術というのには驚いたが仕方ないので家に電話して事の経過を告げた。


意外に母は落ち着いていた。というのもずっと前から僕の股間の異変に気づいていたらしいのだ。


血液検査とMRI検査について

母はなぜ異変に気づいていたのか?相談もしてないのに(←これはダメな例。相談しましょう)


男性ならわかると思うが夏場は基本的に家のなかはパンツ一丁だ。違う人もいるかも
しれないが僕の場合はとにかくそうだ。


するとどうしても股間のふくらみに目がいくことになる。普通、男の生理現象でパンツが膨らむ
ときはテントを張るようなふくらみになるが、精巣腫瘍で睾丸が大きくなるとパンツのなかに
ボールをいれているような膨らみかたになる。


意味もなくパンツのなかにボールをいれている人などいないので、母は夏場パンツ一丁で
うろうろする僕のおかしな股間の膨らみをみて脱腸かな?なんか変だなと思っていたらしい。


結局、母もその気づいた異変に対して僕に何もいわなかったわけだが、これを読んでいる人は
是非、息子や彼氏、友人の股間に異変を感じたらすぐに指摘してあげてほしい。


「なんかおかしいよ」と指摘されて、はじめて「実は・・・」と胸のうちを明かしてくれる
ことがあると思うのだ、特に男は。


場所が場所だけに自分から言い出せないケースはよくあると思う。そして言い出せなかった
息子や彼氏、友人を責めることはしないでほしい。一人恐怖と不安に怯えていたわけだから。


さて、話は血液検査とMRI検査について。


精巣腫瘍の場合、腫瘍の組織型によって血液中の成分を現す数値に異常があらわれるため、
血液検査で精巣腫瘍の組織型と進行具合(数値が高いほど転移の可能性あり)がわかるのだ。


精巣腫瘍の組織型と進行具合の詳細


MRI検査は単純に人体を輪切りにすることで精巣以外に転移して腫瘍が出来ている箇所は
ないかを調べるもので、お腹のリンパ腺や肺のあたりを重点的に検査する。


あとはCT検査でも肺やお腹のリンパ腺への転移がないチェックする。


あとで知った話だが、最初の血液検査の数値(AFPの値が400、正常値は10以下)が9ヶ月
放置したわりには相当良い数字だったとのこと。


血液検査とMRI検査はともに緊急ということで順番待ちすることなく最優先で受けられた。